カナダの公立カレッジと私立カレッジ:留学計画を成功させるための選択肢
2024.03.23カナダ留学をする際には、公立カレッジにて勉強する方法と私立カレッジにて勉強する方法と、両方選ぶことができます。
より目的や希望に近い留学にするためには、公立と私立とどちらが良いのでしょうか。
この記事では、公立カレッジと私立カレッジの違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
私立カレッジの特徴
こんな人におすすめ!
- 休学留学・休職留学をしたい人
- 留学費用をできるだけ抑えたい人
- 初めて長期留学をする人
- 即戦力になる力を短期間で身につけたい人
1. 入学のハードルが公立よりも低い
日本の大学入学のように入学テスト等が用意されていないカナダの大学へ入学する際に、留学生が苦労する要素の一つが、『英語に関する条件を満たす』ことです。公立カレッジの場合には、IELTS アカデミックにて総合点数6.5以上、且つ、全ての分野で6.0以上といった形で、上級レベルの英語力を求められます。
しかし、私立カレッジの場合には、プログラムに合わせて、中級レベルの英語力から受講ができるプログラムもたくさん用意されていたり、学校が無料で受けられる語学力診断テストを設けていたりするため、公式テストよりも点数がとりやすかったりします。
入学のハードルが易しく設定されているのは、私立カレッジの大きな魅力です。
2. 学費が安い
公立カレッジの平均的な学費が年間200万円ほどなのに対して、私立カレッジは、70万円 〜130万円ほどといったように、公立カレッジと比べて学費が安いことが多いです。さらに、季節ごとに割引が行われていたりするため、通常の授業料よりも50万円近く節約できることも多いほどです。
さらに、インターンシップや就労経験を通じて費用を節約することも可能です。
3. 入学タイミングが多くプログラム期間も多様
公立カレッジは、入学タイミングが年に1〜3回ほどであるのに対し、私立カレッジは毎月入学タイミングを設定しているプログラムや2〜3ヶ月に1回の頻度で開講しているプログラムも多く、入学時期が多様です。
さらに、私立カレッジの場合は、プログラムの期間が1ヶ月などの短期のものから4年間の長期プログラムまで、幅広く開講されています。
そのため、休学留学や休職しての留学等で留学できる期間が限られている方にとっては、柔軟な留学計画を立てることができる私立カレッジがおすすめです。
4. 短期間で専門知識を学べる
私立カレッジは、短期間で実践的な知識やスキルを身につけることを目的として開講されているプログラムが多いです。
そのため、公立カレッジよりも短期間でより実践的な専門知識を身につけ、就職に直結する内容を学ぶことができます。
5. 日本語のサポートを受けられる場合が多い
私立カレッジには、日本人カウンセラーがいる場合も多く、日本語で相談したい場合や、日本に帰国した後のことを相談したい場合に、アドバイスをもらうことができます。また、学校によっては、日本人学生対象に日本語でオリエンテーションを行っている学校や、受付に日本人スタッフが常駐している学校もあったりと、留学したばかりでわからないことや英語でのコミュニケーションが難しい中でも、安心して生活することができます。
6. 留学生に対するサポートが多い
私立カレッジに通学している学生は留学生がほとんどです。そのため、留学生でもわかりやすいようなスピードや単語を使って説明をしてくれるインストラクターが多かったり、英語を勉強中の学生も多いため、クラス内で発言をする際のプレッシャーも少ないです。
ネイティブの学生と一緒に学びたい人にとっては、デメリットになるかもしれませんが、留学生が多い方が友達が作りやすかったり、クラス内で文法や発音が間違っていても目立たなかったりと、勉強しやすい環境と感じることが多いです。
さらに、学生が現地生活をきちんと楽しむことができるよう、アクティビティやイベントを用意している学校も多く、学生の参加率も高いです。そのため、お友達を作りやすい環境になっています。
公立カレッジの特徴
こんな人におすすめ!
- 語学力に大きな自信がある人
- カナダに長期滞在(3年程度)滞在したい人
- 予算に余裕があり、カナダ人学生と一緒に勉強したい人
- 永住権の取得を目指している人
- 家族・親子で留学をしようとしている人
1. 日本人学生が少ない
カナダに永住を目指している方や、家族で留学にくる方の数が他国と比較するとまだ少ない日本では、私立カレッジの方が留学の目的に適している学生が多いです。そのため、カナダの公立カレッジでは日本人学生の割合は少ないです。
2. 卒業後に就労ビザを申請することができる
カナダには、『ポスグラ(PGWP)』と呼ばれる、卒業後に一定期間働くことができるビザである、『ポスト・グラデュエイト・ワーク・パーミット(Post-Graduation Work Permit)』があります。
このポスグラ(PGWP)は、主に公立カレッジや大学から卒業した学生に与えられる特典であり、公立カレッジ付属の語学コースや民間の語学学校、私立の専門学校はこの制度の対象外です。(PGWPビザを取得できる学校リストを確認する)
ポスグラ(PGWP)ビザの期間は、一年間のプログラム(2セメスター)を修了した場合は1年間、2年間のDiploma(4セメスター)を修了した場合は最大3年間の就労ビザを申請できたりと、通学期間によって異なります。
そのため、長期滞在や永住権取得を目指す留学生にとっては、たいてい、公立カレッジ・公立大学への進学が望ましい選択肢となります。
3. 幅広く深い知識を身につけることができる
公立カレッジ・大学では、100以上のプログラム・教科(コース)が提供されており、多様な分野の専門知識を習得できます。
また、日本の大学と同様に自分で時間割を作るシステムになっているため、自分の興味やキャリアに合わせてカスタマイズすることができます。
さらに、私立カレッジの多くでは、4週間(約1ヶ月)で1つの教科をカバーしていくのに対し、公立カレッジ・公立大学では、4ヶ月ごとに勉強をしていきます。
そのため、各教科をより深く学ぶことができ、自分の興味と得意・不得意を分析しやすいです。さらに、入学後に専攻の変更ができる場合も多いので、在学中に将来のキャリアをゆっくり考えることができます。
4. 高い英語力が必要
公立カレッジ・公立大学はカナダ人学生が主体であるため、入学に必要な英語力のみならず、入学後に求められる英語力が高いです。
そのため、私立カレッジよりも授業のスピードが早かったり、学生や教授、インストラクターが話すスピードも速かったり、使う単語もよりアカデミックだったりします。また、教科書やケーススタディなどの、リーディング課題が多かったり、5ページ以上のエッセイを書いたり中間テスト、期末テストでも小論文を書く問題が多かったりなど、ライティング力が問われる機会もたくさんあります。
したがって、入学に必要な点数を公式テストで取ることができる語学力を超える英語力が卒業には必要になります。
5. 課題量・勉強量が多い
日本でもよく、『海外の大学は入るのは簡単だけど卒業が難しい。日本の大学は入るのは難しいけど、卒業するのは簡単』と言われたりするように、公立カレッジ・公立大学では、たくさんの課題が出されます。また、単位取得に不可欠な、中間・期末テストの難易度も高いため、きちんと勉強にコミットする必要があります。上記で説明したポスグラ(PGWP)も、学校を卒業することだけではなく、一定の成績を取っていないと、ビザを取得することはできません。
したがって、きちんと勉強することは必要不可欠であり、学校に通いながら働いたり、子育てをしたりするのは簡単ではありません…。
そのため、入学前にしっかりと語学の準備をしたり、現地生活に慣れることなどは、入学後の成功に非常に重要となっています。
いかがでしたでしょうか。
公立カレッジと私立カレッジ、どちらも留学生にとって魅力的な選択肢です。自身の目標や予算、学びたい分野に合わせて選択し、カナダでの充実した留学生活を送りましょう。
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